Stable-diffusionなどの画像生成AIって、無限の可能性があってとっても楽しいですよね。
今回の連載は、いわゆる「ローカル環境」(自宅にある高性能グラフィックカードを搭載したパソコンでStable-diffusionを使用し画像生成できる環境)において、自宅だけではなく外出先(自宅のWi-Fi圏外)のスマホ(Android)からでも、VPN接続により自宅と同じようにStable-diffusionする方法について詳しく解説していきます。
ローカル環境と対義的な意味を持つ、自前の高性能グラフィックカードがなくてもGoogle Colab等のサブスクを使用してても画像生成ができる、いわゆる「クラウド環境」や、スマホだけでも手軽に画像生成ができるWebサイト(課金型、厳密にはStable-diffusionではない)は今回の対象とはしていません。といいますのも、クラウド環境が整っている方やWebサイトを利用できる方は、はじめから自宅でも外出先でも画像生成できるようになっているはずですので、この記事を見る必要がありません。
また、Stable-diffusionそのものの環境構築にかかる説明等もここではしませんので、予めご了承ください。(環境構築のやり方はググるとたくさん出てくるので割愛します。)
下の表は、今お話しした、ローカル、クラウド、Webサイトの各環境のメリット・デメリットについて、ざっくりとまとめたものです。
ローカル環境 | クラウド環境 | Webサイト | |
初期投資 | 高額(主にグラボ代) | 少額 | ほぼ無し |
高性能グラフィックカード | 必須 | 不要 | 不要 |
月額料金(サブスク・課金) | 不要 | 必須(千円程度~) | 必須(数千円~) |
利用制限(制約等) | 無し | 少し有り | かなり有り |
パソコン等の知識 | かなり必要 | とても必要 | ほぼ不要 |
とっつきやすさ | ゲーミングパソコン等元々の環境が揃っていない場合はかなりの気合いが必要。 | パソコンとネットワークの知識があれば気軽にはじめられて初期投資も少額 | 一番手軽に始められるものの、本格的にやろうとすると月額料金が高額になる。 |
この連載の対象は、次の3つの要件に全て当てはまる方です。
●自前の高性能グラフィックカードを搭載したパソコンにローカル環境を構築し、Stable-diffusionによる画像生成ができている。
●ローカル環境を構築したパソコンがインターネットの常時接続環境下にある。
●外出先でも自宅のパソコンを使って画像生成したいけど、VPN接続したことがない(上手くいかない)、よく分からない。
また、今回の想定環境は次のとおりとします。
●VPN接続される(ローカル環境)のパソコン
・OS:Windows11
・グラボ:NVIDIA GeForce RTX 4070Ti SUPER
・システムドライブ(Cドライブ):SSD
・Stable-diffusion:automatic1111
OSは投稿時のシェア率からWindows10と迷いましたが、ローカル環境を構築できるような知識のある方であれば最新のOSを利用していそうなのと、今後のシェア率の移り変わりも考慮してWindows11を選択しました。基本的にOSが異なることによる大きな違いはありません。
(Windows10でも同じように動作することを確認しています。)
グラボは動作していれば何でもOKです。画像生成の速さは今回のテーマとは直接関連はありません。ただ、これからグラボを新規購入するなら、コスパと来年にはRTX5000番台が出るらしいことも踏まえて「RTX 4070Ti SUPER」をお勧めします。もちろん、予算の範囲内で一番グレードの高いもの(RTX4090とか)を買うことができるのならば是非そうしてください。羨ましい。
システムドライブ(Cドライブ)についても、今回のテーマに興味のある訪問者様がHDDだなんてことはないでしょう。SSDに最低20GB程度の空き容量があれば良いらしいです。
Stable-diffusion自体はほとんどの方が利用されている「automatic1111」とします。
●VPN接続する(外出先の)スマホ
・Android(AndroidのOSが13以降)
iPhoneは持っていませんので今回はAndroidのみとします。接続に至る基本的な方法は同じはずです。iOSはシェア率が高くてググったら大抵のことは分かると思います。また、スマホ以外のパソコンでも当然VPN接続できますが、同様の理由で割愛します。
逆の言い方をすると、Androidでこのテーマをググっても、ちゃんとVPN接続までできたページって1つしか見つからなかったんです。検索結果にはVPN接続するまでの方法を紹介するサイトが複数出てくるんで実際に試してみたんですが、AndroidのOSが13以降はセキュリティ的に使用不可となった方法を利用するために、実際には途中で手詰まりとなってしまうものばかりでした。
ということで、次回からは快適に画像生成できる比較的新しいAndroidスマホ(Android OS 13以上)にも対応した環境におけるVPN接続の方法を実際に説明していきます。
長くなったので、今回はこの辺で。